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リフレット

随分減っているのでフレット交換です。現在の細めから高さのあるミディアムサイズのフレットにします。フレット交換は単純な作業ではありませんのでどんな事を気にしながらやっているのかご覧ください。

まずはフレットを専用の道具で抜いていきます。この時注意するのが溝付近の指板材が飛んでしまうので慎重に作業します。それでも飛んでしまう部分は修正しながら抜きます。今回のようにローズ指板はもろいのでフレットを打ち込むより抜く時の方が気を使いますね。

抜いた後は溝の様子を見ながら広がりが大きい場合や溝付近の指板(ローズウッド)が浮いている場合などは補修します。きれいに抜ける場合もありますがローズの場合は大体この作業やってます。合わせてナットも取り外し溝に残った接着剤やゴミも取ります。

それが終わると指板のRに合わせて指板のすり合わせで凸凹をとっていきます。

そして溝に残ったゴミを取り払って深さが十分に残っているか確認します。

フレットには適度なRをつけたうえで後の作業がしやすい長さにカットし準備完了。プレス機で打ち込んでいきます。打ち込みが甘い部分はハンマーで打ち込みます。勢い余って指板に傷が付かないように注意。打ち終わると両端の余った部分を切り取ります。

ここからはフレットのすり合わせ作業となります。すり板を使いフレットの高さを合わせていきます。これで高さは揃いますがフレットのてっぺんが平らな状態となりますので丸める作業も行います。

同時にフレット端のバリ取りも行います。この作業をしないとネックを握った時に指に引っかかってしまいますので重要です。そしてすり合わせを行った同じ番手のペーパーでフレットの傷を取っていきます。

すり合わせはペーパーの番手を上げてゆき、すり合わせ~傷取りを繰り返します。150番→320番→600番→800番→1000番→1200番→1500番→最後にメタルポリッシュを使いピカピカな状態に磨いて完了。このころには保護用のマスキングテープもくたびれてきますが剥がします。

今回のナットはBLACK TASQです。厚みと横幅を合わせて削ってから取り付け、溝切りをします。この時、弦の間隔と溝の深さは失敗すると後に戻れないのでこれまた慎重に行う工程です。ここまで来るとあとはナット形状を整え、きれいに磨きます。そしてネック、ブリッジの調整を行い作業完了となります。

いかがでしょうか?肩こる作業やってるんですよ。でもフレットを交換すると弾き心地が格段に変わるんですよ。フレットが減っている方は一度ご検討ください。フレットの減りが浅い場合はすり合わせをおすすめしております。